ニオイ 消えてる 臭ピタッ!

加齢臭と仲良く手を取り合って、再スタート

加齢臭と共存共栄していく

 

「臭ピタッ!」を捨てた翌日から、クールに生きていくことにしました。

 

体臭があるのは生きている証拠。においってある意味、個性ですからコンプレックスに感じる必要はありません。

 

身だしなみやエチケットとしてにおいを抑える努力は必要ですが、ちゃんとお風呂に入って毎日清潔にしているわけですよ、体質によるにおいは仕方ないじゃないですか!

 

人間、四十数年生きてりゃ、いろいろありますからね。加齢臭のひとつやふたつは「頑張って生きてる証拠」として容認してもらいたい。

 

考えてみたら、給湯室で話していた女性社員だけがヒステリックに私の加齢臭を目の敵にしているだけで、すべての社員が私のにおいに耐えがたい思いをしているわけじゃないのです。

 

出勤前、妻は言いました。

 

 

さぁ、今日から加齢臭と仲良く手を取り合って、再スタートよ。

 

加齢臭と一緒に仕切り直しよ。
いい?わかったわね、新規まき直しよ。


 

今日から新しく買ったばかりの冬物スーツに着替えて、私は悲劇のヒーローの面持ちで出勤したのでした。

 

 

加齢臭、もしかして消えてる? そして『喜びの舞』

 

それからさらに1週間後。

 

洗濯機の前で、嫁が首を傾げているのです。

 

 

変ねぇ、
どういうことかしらねぇ……


 

 

どうしたの?
なになに?


 

 

あなたの
Yシャツなんだけど……


 

 

俺のYシャツが
どうしたの?


 

 

においがねぇ……
あの人泣かせなにおいがねぇ……


 

 

におい?
においがどうしたんだよ?


 

 

ない……
……のょ。


 

 

はぁ!?


 

 

あなたのあの油臭くてツンとするにおいがほとんど気にならないのよ!


 

 

え〜〜〜っ!
うそぉ〜〜〜っ!


 

 

興奮した私は、嫁からYシャツをひったくり、野良犬のようにクンクン嗅いでみたのです。でも、正直、変化というのがよくわからない。

 

 

ねぇ、よくわからないな。
ほんとに加齢臭消えてるの?


 

 

ばかねぇ、何回も言ってるじゃない。

 

あなたはこれまでずっと、自分の加齢臭にどっぷり浸かって生活してきたわけでしょ。

 

嗅覚が麻痺してしまっているから、自分のにおいの変化なんてわかるわけないでしょ?

 

でも私にはわかる。あなたのにおいに間違いなく劇的な変化が起こってるのよ。


 

 

…………
(絶句する私)


私としてはなんと応えていいかわかりません。

 

 

 

あなた、
最近、変わったことした?


 

 

う〜ん、
とくにしてないかな。


 

 

あっ
ほら、新しいスーツ着たじゃない!


 

 

【はるやま】で買ったあの冬物のスーツか!

 

すげぇっ!!あのスーツには消臭効果があるんだ!


 

 

ばかねぇ、そんな消臭効果あるわけないじゃない!

 

それまで着ていたスーツはあなたのにおいがたっぷり浸み込んでいたの。

 

それはクリーニングに出しても落ちるようなレベルじゃないのよ。


 

 

……
そういうものなのかな。


 

 

すでに体の方の加齢臭はおさまっていたけど、スーツの方が悪さをしていたのよ。

 

それまで何年にもわたって積もり積もったにおいがね。


 

 

すでに加齢臭がおさまっていたの?
もしかしてニオイ消えてる?


 

そして嫁は悔しそうな表情でこう言ったのです。

 

 

認めたくないけど、
あの【魔法のくすり】ね。
あれしか考えられないわよ。


 

臭ピタッ!

 

 

え〜〜〜っ!
うそぉ〜〜〜っ!


 

 

ばかねぇ、どうして【魔法のくすり】を床にぶちまけて捨てちゃったのよ!

 

何してるのよ!はやく再注文しなさいよ!

 

あなたはいつも向こう見ずなんだから駄目なのよ。今日の晩御飯は、肉じゃがとぜんまいの白和えよ。

 

はやくあのサプリを注文なさいよ。ばかねぇ。今晩のメニューはぜんまいの白和えよ。


 

そういえば、今朝、出社したとき、においに過敏な例の女性社員とエレベーターの中で一緒になったんです。そのとき私に向かってぽつりと言ったんです。
「●●さん、おはようございますぅ」

 

 

 

あ、お、
お、おはよう。


 

彼女から挨拶されたことなんて、これまで一回もなかったんです。
どうして?なぜ?
嬉しかったですが、女性の心はコロコロ変わるものなのであまり真に受けなかったのです。

 

 

でも今から考えてみると……

 

 

え〜〜〜っ!
うそぉ〜〜〜っ!

 

やっぱり加齢臭がおさまっているのかも!


 

私は拳を振りまわして思わず叫んでしまいました。

 

そして、「舞い」ました。

喜びの舞

 

嫁はあきれて言います。

 

ばかねぇ、何しているのよ、はやく【魔法のくすり】を取り寄せなさいよ。

 

あんなものはね、続けないと意味がないのよ。あなたはどうしてそんな単純なの?晩御飯は肉じゃがとぜんまいの白和えよ。

 

お願いだから、そんなろくでもない踊りなんかしないでよ。

 

涙が出そうだから、そんなブザマなダンスなんかやめてよ!はやく注文しなさいよ、【臭ピタッ】を今すぐ取り寄せなさいよ!

 

みっともないから、そんな恥知らずな踊りはしないでよ!ぜんまいの白和えでお祝いしてあげるわよ!涙がでちゃうわよっ!


 

でも、私は嬉しくって嬉しくって、明らかに加齢臭に変化が起こっていることを祝福しないわけにはいかなかったのです。

 

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